大妻多摩中学高等学校

【校長室より】千羽鶴の運命!

千羽鶴の運命!

つる姫_折り紙①

2週間ほど前のある日、大妻多摩の22期生の三宅真実子さんが、今年入社した印刷会社が作っている再生紙粘土「つる姫」と再生紙「おりひめ」を持って学校に遊びに来てくれました。三宅さんは中学生の修学旅行はたしか広島だったなと思い出して、この再生紙粘土を持ってきてくれたのです。

三宅さんの会社「ユニバーサルポスト」は広島に本社があり、企業の社会的責任(CSR: Corporate Social Responsibility)として、広島市の「折鶴に託された思いを昇華させるための取組」に賛同してこのような製品を作っているそうです。この千羽鶴再生事業は2011年現広島市長である松井一實氏が、国内外から送られてきたり献納される年間一千万羽、10万トンにもおよぶ千羽鶴の活用方法を公募したころから始まります。それまでは保管するにも大変で、結局は焼却せざるを得なかった千羽鶴でしたが、この再生事業が始まってからは100社以上の企業が千羽鶴の活用に着手するようになったということです。

つる姫_折り紙②

病気の回復や平和を祈念して千羽鶴を折るという習慣はどこから来たのでしょうか。それは原爆の子のモデルになったという佐々木禎子さんの元気になりたいという願いから来ているものなのです。2歳で被爆してその10年後に白血病で亡くなった禎子さんは、入院中に自らの回復を願って鶴を折り続けたことから、原爆で亡くなった子どもたちの霊を慰めるために「原爆の子の像」に千羽鶴が捧げられるようになりました。

「ユニバーサルポスト」で製造販売している紙粘土「つる姫」は、献納される折鶴の糸や留め具を取り除き、粘土の原料と粉砕した折鶴をミキサーで混ぜ、余分な空気を抜いて成形して出来上がります。赤や緑色など折り紙のさまざまな色が細かく混ざっている「つる姫」はとても軽く、工作などにとても適しています。また「グッドデザイン賞」を受賞したパッケージは一個でも販売されていますし、プレゼント用に6個が詰め合わせになったものもあります。再生紙の「おりひめ」はノートや名刺、カードなどに用いられ、三宅さんの名刺ももちろんこの「おりひめ」で作られていました。「そういえば創立者の大妻コタカ先生は広島県のご出身なのよ」と話しながら、「思いがけないところにご縁があったのですね」と三宅さんは笑顔で話してくれました。

たまたま就職した会社が世界平和につながる社会貢献をしていたという事実、そして中学生の時の修学旅行を思い出して学校を訪問してくれた三宅さん、「つる姫」「おりひめ」が結ぶご縁、この再生紙を通して平和に対するみんなの思いが一つになるといいですね。