大妻多摩中学高等学校

【校長室より】中学三年生修学旅行、広島・岡山の旅

中学三年生修学旅行、広島・岡山の旅

 

広島平和記念公園にて②

 

大妻多摩では毎年中学3年生は広島を訪問し、世界で唯一の被爆国である日本の中学生として平和の大切さを学んでいます。

広島平和記念公園にて①

今年は日本にとって、そして日本人にとってたいへん意味のある出来事がありました。それは昭和20年に広島に原爆を投下した当事国であるアメリカの大統領が初めて広島を訪れたことです。大統領はアメリカが原爆を投下したことに対して日本に「謝罪」するのか、それとも世界をリードする超大国として世界平和を祈念するだけなのか、来日前から日米のメディアは大統領の訪問の意図を探り、彼のスピーチの中にどのような言葉が織り込まれるのかに関心が高まりました。
オバマ大統領は5月27日、広島平和記念公園で、71年前に被爆した人々を含む参列者を前にこのように語りかけました。

Seventy-one years ago on a bright, cloudless morning, death fell from the sky and the world was changed. A flash of light and a wall of fire destroyed a city, and demonstrated that mankind possessed the means to destroy itself.
 
「雲一つなく晴れ渡った71年前のある朝、死が空からやってきて世界は一変しました。閃光と一面の炎が都市を破壊し、人類が自らを滅ぼす方法を手にしたことが明らかになったのです」


今年の原爆記念日の前日、この大統領の広島訪問の舞台裏にはキャロライン・ケネディ駐米大使が大きな役割を果たしたというNHK特集が放映されました。今まで8回広島を訪れたことのある親日派の大使が広島訪問を大統領に薦めたのは事実だが、訪問を決断したのは大統領自身だったことなど、大使とのインタビューを通して訪日に至るまでの様々なことが明かされました。

広島中学三年生修学旅行②

ジョン・F・ケネディを父に、ジャクリーン・ケネディを母に1957年に生まれたキャロライン・ケネディは1963年、彼女が6才の時に父の暗殺という悲劇に見舞われます。20才になった1978年、叔父のエドワード・ケネディ上院議員と初めて広島を訪問し、原爆死没者慰霊碑で献花をしたとき、彼女は強烈な印象を受けたと言っています。ホワイトハウスや国務省では議論が繰り返され、日本政府高官との話し合いも持たれたといいます。大統領の広島訪問について一歩前進したのは、アメリカのケリー国務長官が今年の4月11日に、ドイツ、イギリス、カナダなどG7の外相とともに原爆資料館を訪問して献花してからのことでした。ベトナム戦争に従軍し、その後反戦運動にもかかわったことのあるケリー長官は、この訪問で受けた強い印象をオバマ大統領に話し、ケネディ大使の薦めもあり、大統領の広島訪問が実現したということです。ケネディ大使は大統領の広島行きに同行し、大統領がスピーチ原稿を何度も推敲し、側近に手伝ってもらいながら四羽の折り鶴を折っているのを見たと番組の中で語りました。

9月20日にニューヨークで開かれた国連総会で、オバマ大統領は任期中の最後となる一般演説をしました。彼は演説の中で北朝鮮の核実験を批判し、「核保有国は核兵器を削減して二度と核実験を行わない責任がある」ことを強調しました。

広島中学三年生修学旅行③

 

広島平和記念公園の「原爆の子の像」には国内外からから送られた千羽鶴が捧げられています。今年の広島訪問でも中学3年生は全員で折鶴を折り、献納の準備をしてきました。オバマ大領の折った折鶴、そして世界中の子どもたちが心をこめて折った折鶴。大統領でも中学生でも「核兵器のない世界」に一歩でも近づき、世界平和を願う気持ちには変わりはないはずです。