大妻多摩中学高等学校

【校長室より】正しいお辞儀

正しいお辞儀

梅雨の晴れ間の中高グラウンド①
梅雨の晴れ間の中高グラウンド

中学一年生が入学するとすぐ習うのがお辞儀の仕方と「ごきげんよう」の挨拶です。一年生は授業の始めと終わりにこのお辞儀と挨拶をくりかえすうちに、自然にきれいなお辞儀を身につけていきます。最近の若い人はお辞儀をする習慣があまりありませんが、中高6年間続けているうちに、大妻多摩の生徒たちはきちんとしたお辞儀を体で覚えます。礼儀作法というものは、正式な形を身につけていれば、あとは相手と場所と目的によってどのようにも変えることが出来ますが、作法が身についているのとそうでないのとは、社会に出たときに人の見る目が違ってくるのです。

平成16年(2004年)に出版された大妻コタカ監修の『礼儀作法』(大妻コタカ記念会出版)にはこのように書いてあります。
「ごく丁寧なお辞儀は正しい立ち姿になって両足を揃え、相手の胸の高さに目を置き、静かに上体を屈めながら、これと同時に両手の手の平が膝頭に掛かるまで下げます。これで上体は四十五度ぐらい曲げたことになります。」お辞儀で重要なのは「礼三息」という呼吸の仕方だと書いてあります。つまり上体を屈めるときに息を吸い込み、四十五度に屈めた上体をそのまま息を吐き終わるまで続け、次に息を吸い込みながら屈めた上体と両手を引き上げて元の姿勢に戻るとあります。「上体を屈める時間の長さが息を吸い込む時間」とありますが、これが難しい。「呼吸と動作を一致させるのが急所」と書いてありますが、実際には屈める前に息を吸い、息を吐きながら上体を四十五度に屈め、元に戻るときに息を吸うほうが自然ではないかと思います。
「普通のお辞儀はごく丁寧なお辞儀と同じ要領で上体を三十度ぐらいにとどめ、両手の位置は指先が膝頭の上部に届く程度」、「会釈は略式なお辞儀で、上体を十五度ぐらいに屈めるのが適当」ということです。
丁寧なお辞儀、普通のお辞儀、会釈の違いは上体を屈める角度ですが、「礼三息」は変わりません。ということは丁寧でも会釈でもかかる時間は同じ、ゆったりお辞儀をするときれいに見えるということでしょう。
最近よくみかける、両手をお腹の前で組み、両肘を張って上体を屈めるお辞儀はまちがっています。上体を屈めるにつれて、両手は自然に前に下がるのが良いお辞儀です。

中高棟脇のヤマボウシ①
中高棟脇のヤマボウシ

この日本独特のお辞儀ですが、西欧式の握手と一緒になるととてもおかしいのです。欧米人は相手の目を見ながら握手をしますが、どうしても日本人は握手をしながらお辞儀をしてしまいがちです。かつて来日したオバマ大統領が天皇皇后両陛下を表敬訪問した際に、日本の慣例にならってお辞儀をしながら握手をしました。その様子が報道された際、日本人は大統領のお辞儀を好ましく感じたのに対して、欧米人の中にはアメリカの大統領が天皇に従ったように見えたと感じる人もいたそうです。海外に行くと、日本人同士がお辞儀をしている光景は遠くから見ても目立つので、やはり日本のお辞儀は独特なのだなと改めて感じます。相手に対して礼を尽くすという態度、これが日本のお辞儀には表れていると思います。