大妻多摩中学高等学校

【校長室より】点取り虫式の勉強ではなく、

点取り虫式の勉強ではなく、学んだ知識が実生活に活用し得る人になっていただきたい。

これは1928年に同窓会誌『しらゆり』に掲載されたコタカ先生のことばです。今回は『創立者大妻コタカ先生言行録』から引用させていただこうと思います。

「一例を挙げて申しますならば、日本歴史に於いて、保元平治の乱などはずい分込み入ったもので、学生を困らせること百パーセントであろうと存じますが、私はその史実において、何某が何年何月何日どこでどんなことをしたというような事実を覚えることだけが勉強ではなくて、むしろあの親子、兄弟親族が乱れて鬩ぎ合ったという、我国史上の希有の事件について、なぜああしなければならなかったか、当時の社会状態や、またそれに対する影響といった方面にまでも、思いを走らす余裕を持ちたいと思います。
そうすることは、やがて起こるかも知れない我々の周囲の問題でもあるからでございます。」

 

多摩の春を探して、中高棟グラウンド1

先生はさらに続けて、どんな事柄に突き当たっても、それに対処するだけの実力を備えること、つまり「応用自在の力」が必要だとおっしゃっています。学問においても、点取り虫ではなく、学校で学んだ知識がそれからの生活に活用されなくてはならないということなのです。

2020年の新大学入試に向けて、みなさんも勉強方法も変えざるを得なくなるでしょう。基礎学力がどうかを試す高等学校基礎学力テストでは思考力・判断力・表現力のような知識活用力が問われ、それぞれの大学で独自に行われる大学入学希望者学力評価テストでは知識・技能の活用力が評価されるということです。このテストでは、記述式が導入され、論文やプレゼン、ディスカッションのような主体的な学習態度(主体性・多様性・協働性)が問われます。言い換えると、今までのような穴埋めやマークシートのような選択式ではなく、考えをまとめて表現する記述式が導入されるといいます。

 

コタカ先生が思考力や判断力などを必要とする幅広い勉強の大切さを説かれたのは今から約90年も前のことです。歴史上の人物の名前や事件、または年号などは一度覚えてしまえば忘れないかもしれませんが、点ではなく線で理解しなくてはものごとの推移や全体像、さらに後世への影響などはわかりません。みなさんも目先の試験のための一夜漬けの勉強法ではなく、主体性をもって幅広い勉強を心がけるとよいと思います。

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