大妻多摩中学高等学校

【校長室より】梅に鶯?

キャンパスの沈丁花①
キャンパスの沈丁花

今多摩中高の校舎脇には紅梅が咲いていますが、まだ鶯の鳴き声は聞こえてきません。それもそのはず、鶯は竹藪などに生息し、梅の木にはやってこないのだそうです。よく梅の木と鶯が描かれている絵画(花札のデザインもそうですが)を見ますが、鶯色のあの鳥は鶯ではなく「メジロ」なのだそうです。メジロは鶯よりもっと緑色が濃く、目の周りが白く縁取られているのですぐにわかります。一方竹林に棲む鶯は鳴き声は聞こえてもその姿はあまり目にすることはありません。人里に下りてきてその姿を見ることがあっても、メジロより小さく茶色っぽくてあまり目立ちません。

鳴き声が鶯と似ていることから西洋鶯といわれるナイチンゲール(Nightingale)は鶯と同じスズメ科ですが、生息地はヨーロッパ中央部から地中海沿岸です。この鳥は夜鳴鶯とも言われるように夕暮れや夜明け前によく鳴きます。このナイチンゲールは詩歌や物語の題材となっていますが、有名なのはイギリスのロマン派の詩人ジョン・キーツ(John Keats, 1795―1821)の「ナイチンゲールに寄せて」(“Ode to a Nightingale”)です。ナイチンゲールの美しい鳴き声に惹かれた詩人の死への憧れが語られます。 では最初の6行を紹介しましょう。

 

Ode to a Nightingale
My heart aches, and a drowsy numbness pains
My sense, as though of hemlock I had drunk,
Or emptied some dull opiate to the drains
One minute past, and Lethe-wards had sunk:
‘Tis not through envy of thy happy lot,
But being too happy in thine happiness,

 

[訳] 私の心は痛み、私の感覚は夢うつつのめまいのためにしびれる
まるで毒人参をあおったか
あるいはたった今アヘンを入れた杯を飲み干したかのように
忘却の川に沈む
それはおまえ(ナイチンゲール)の幸せをねたむからではなく
おまえの幸せに酔いしれているからだ

 

3月頃から鳴き始める多摩キャンパスの鶯は夏まで鳴き続けますが、だんだんその鳴き声が上手になっていくので聞いているのが楽しみです。その鳴き声は昼間より早朝によく聞かれますが、最初は「ジャグジャグ」とつぶやくように鳴いていたのが「ホーホーケッキョ、ケッキョ、ゲッゲッゲ」のようになり、夏にはきれいに「ホーホケキョ、ケキョ、ケキョ、ケキョ、ケキョ、ホーホケキョ!」と大きく、はっきりと、美しく、誇らしげに歌います。
みなさんも鶯の鳴き声に耳を澄ませてみてください。