大妻多摩中学高等学校

【校長室より】郷に入っては郷に従え

お守り
旅の安全を祈っています。

今年度も1月から3月まで、高校一年生の希望者が留学に出かけます。

オーストラリア、ブリスベンのBrigidine Collegeに2名、アメリカ、ハワイのSacred Hearts Academyに1名、イギリス、ウースター州のMalvern St. Jamesに2名、Wetonbirt Schoolに2名の合計7名が、成績と面接試験を受けて選抜されました。これからこの7名は英語だけを話す生徒たちの中に入って授業を受けることになります。生徒たちには異文化を体験すると共に、日本と日本文化を再認識し、日本の良さも海外の人たちに伝えてもらいたいと思います。英語が聞き取れなかったり、授業がわからなかったり、文化の違いに戸惑うこともあるでしょう。でも生徒の皆さんには高校生だからこそ感じる文化の違いを是非体験してもらいたいと思います。

私が始めてイギリス行ったときは3人の小さなお子さんのいる若いご夫婦のお宅にお世話になりました。日本人を受け入れるのは初めてのことでしたが、一家はわたしが外国人ということはとくに意識していないようでした。朝食は棚に置いてある数種のシリアルを勝手に食べるように言われ、夜はディナーというにはお粗末なゆでたじゃがいもとハムだけのコールド・ディナー(と彼らは言っていましたが)が多く、ときには一羽の鶏の丸焼きが出るときもありましたが、翌日は鶏のレバーのチャーハンだけだったり、とにかく質素でした。外国人がステイするからといって彼らの生活を変えることはなく、キッチンのシンクの上に無造作に汚れたスニーカーが置いてあったのにはびっくりしました。また食器を洗うときにシンクに洗剤を入れてつけ置きし、そのまますすがないでふきんで拭き取るだけなのは、西欧人がお風呂に入ったときにシャワーで洗い流さないでそのままバスローブを羽織る感覚と同じだと感じました。
次にお世話になったのは一人暮らしの老婦人。毎夕食は美味しい御馳走を作ってくれるので帰宅するのが楽しみでしたが、私専用のナフキンは1週間洗わず、このお宅のやり方なのだからと汚れても我慢しなくてはなりませんでした。今からずいぶん前の事ですが、当時イギリス人で毎日お風呂に入るのは女王陛下だけと言われており、一般家庭では1週間に2~3度しかお風呂に入らず、清潔好きの日本人としては困りましたが、それも日が経つと慣れてしまい、シャワーだけでも平気になりました。
アメリカではたびたび大学の寮に宿泊しましたが、アメリカ人は短期間であっても寮の部屋を自宅の部屋と同じように飾るのが一般的らしく、女子学生はすてきな布団カバーやカーペット、ぬいぐるみなどを部屋に持ち込んでいました。寮は夜間に非常ベルが鳴ることが多く、たいていは火災報知器の誤操作なのですが、学生はそのたびに全員寮の外に出なくてはなりません。みんながTシャツに短パンのような服装の中で、ピンクのサテンの裾まで長いドレスのような寝間着を来た黒人女子学生が登場して人目をひいていたのを覚えています。

ホームステイにしても寮生活にしても、そこのルールを守らなくてはなりません。もちろんそのルールは日本とは違うでしょう。今までお母様がなんでも用意して下さったときとは違い自由はありますが、他人に頼ることなく、なんでも自分で決断しなくてはなりません。私の場合、衣食住すべてにおいて、出来る範囲でその土地のものを利用しようと思っていました。地元のスーパー巡りは楽しみの一つ、ティッシュから歯磨きのような日用品、文房具、スナックから下着に至るまで、現地調達して楽しみました。

生徒のみなさんは、英語の勉強をするのはもちろんですが、寮生活ならば同室の生徒たちと、ホームステイならばホストファミリーとのコミュニケーションを楽しみ、それぞれの国の歴史と文化を十分吸収してきてほしいと思います。柔軟な思考力をもった生徒たちならきっとたくさんのことを学んできてくれると思います。