大妻多摩中学高等学校

キプロスを旅する②

北キプロスからクロス・ポイント(検問所)を通って、南キプロスへ向かう時のことです。

ちなみにトルコを除いて南キプロスはもちろん世界中のどの国も北キプロスを国家として承認していないので、南キプロス側としては緩衝地帯(グリーン・ライン)はあっても「国境」というものはなく、検問はあっても「入国管理」はありません。
ただ北キプロスは国家を名乗ってますから、北キプロス側では「入国管理」があり、出入国スタンプはあります。やっかいですね。

でも北キプロスのスタンプをパスポートに押されてしまうと、今後、ギリシアへの入国ができなくなるので、ほぼすべての観光客は北キプロス側のカウンターに用意された別紙にスタンプを押してもらいます。(ギリシアでトラブルが多発したために北キプロス側が別紙を用意するようになったようです。国家を名乗っているのに悲しい現実ですね…)私も今日は別紙に押してもらいました。

クロス・ポイント(検問所)向こう側は南キプロス
クロス・ポイント(検問所)向こう側は南キプロス

 
さて、この検問所でちょっとした出来事が…。

北キプロス側の係官が「あなたはEU圏の学生ですか?」「いや、違います」(どう見てもアジア人でしょ。それに日本のパスポート出してるんだから)
係官が他の係官に相談してるので「何か問題ありますか?」と聞くと、「いや、こちら側では何も問題ないけど、南側で問題があるかも…」という返事。 (え?日本人は何も問題なく通過できるって聞いてたんだけど)

数十メートル先の南キプロス側の検問所へ行くと、パスポートを見せる前にいきなり係官から「Japan? Tokyo?」と聞かれ、「Yes」と答えると、ちょっとこっちへ来いと何の説明もないまま事務所へ連行されました。
あ、やっぱり何か問題あったのかなと少し不安になっていると、その係官がこれを見ろとコルクボードの写真を指さします。
何かと思って見ると、誰かが走ってる写真。

連行され無理やり見せられた写真
連行され無理やり見せられた写真

 
係官が「これは東京マラソンの写真だ!彼が走ったんだ!」と、ニコニコしながら説明している。そしてゲートのところにいたその係官を呼び寄せ、いっしょに記念写真を撮るはめに。
その走った彼は今年の2月に行われた東京マラソンに参加したようで、日本の警察関係者の名刺をたくさん見せてくれて、自分の名刺を私にまでくれました。
日本人を見つけたら話したくてしょうがなかったのでしょう。本当に嬉しそうにしていました。
少し話をした後、最後に彼は両手をあわせて「アリガトウゴザイマス」と言って送り出してくれました。

で、 結局パスポートはノーチェック。手に取ることさえしませんでした。やっぱり日本の信用力って凄いですよ!

強引に二人で記念撮影させられました
強引に二人で記念撮影させられました

 
ちなみに最終日に南キプロスから北キプロスへ入国する時には、クロス・ポイントの北キプロス側係官が自分で別紙に入国スタンプを押そうとしたので、それを制止し、パスポートに押してくれと頼むと、係官は嬉しそうにニコーっとしていました。そんな注文をする観光客はほぼいないからです。これでこのパスポートではギリシアには行けなくなりましたが…。

こういったところでも国際関係について考える契機があるんですね。