大妻多摩中学高等学校

第203段

エール!

夏真っ盛り。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。今年は夏休みに入るとすぐに、高校3年生対象の受験ゼミを夏休み第1週に行いました。参加した生徒達のひたむきな眼差しに、本当に気持ちよくゼミを行うことができました。後は、自分の弱さ、不安、そして暑さと向き合いながら、3年生達にはこの夏休みを乗り越えてほしいと願うのみです。

夏休み2週目は部活動のために登校しましたが、学校のあちらこちらで登校して勉強する高校3年生、2年生の姿を見かけます。家にいるとどうしても集中できないので、学校に来て勉強しているのです。涼しい廊下のベンチに机を持ち出して、必死に英文や英単語をブツブツ暗唱する者。2人仲良く肩を並べて数学科の準備室の前の机で数学と格闘する者。毎年の光景となりつつありますが、今年は特にその姿が目立つ気がします。

もうだいぶ前の話になりますが、私もそうやって学校に登校して勉強していたので、あの遠い暑い夏を思い出します。家にいるとだれてしまう意志の弱かった自分は、夏休みもほぼ毎日登校して、友人と受験勉強に精を出しました。今のように各教室にエアコンなどない時代だったので、皆少しでも涼しい場所を求めて勉強していました。私と友人が見つけたお気に入りの場所は「倉庫」でした。裸電球がいくつかと、小さな四角い窓が一つある場所でしたが、エアコンがなくても涼しかったので、そこに学校が開いている日は通いました。毎日同じ人が同じ所で勉強するので、本校の場合もそうですが、自然と指定席化されていました。私の席はその倉庫の小さな窓の下で、友人の席は肌電球の下でした。窓から入る天然の明かりの下で、下校時間まで勉強しました。ときどき疲れると、薄暗い倉庫の窓から外の真っ青な夏空と大きな白い雲を眺めながら、将来のことを色々と想像していたのを覚えています。今振り返ると、目標は違えど、高校球児同様にひたむきに一つのことに打ち込むことのできた素晴らしい時間であったと思えます。

大妻多摩の受験生の諸君、ただ一途に一つの目標を目指すことも、受験勉強の意味の一つであるように思います。若い頃にしかできない貴重な経験でもあります。どうか未来の自分のために精一杯、やれるだけ頑張ってみてください。自分の限界に挑戦してみて下さい。いつかこの暑い夏を、私のように笑顔で振り返る時が、きっときます。 

英語科  伊藤 正彦