大妻多摩中学高等学校

イスラム教の行事①

トルコはイスラム教の国です。
トルコに来てまずイスラムを感じられるものといえば、街々にあるジャーミィ(モスク)から聞こえる、一日5回の礼拝を知らせるエザン(アザーンともいう)の大きな声ではないでしょうか。ジャーミィ備え付けの拡声器から人々に礼拝の時間を知らせます。テレビや映画でもその様子を見たことのある人はいることでしょう。ちなみにエザンはコーラン(クルアーンともいう)の章句を読み上げていると思っている人が多いようですが、あれはただ単に「礼拝の時間ですよ~!」と告げているだけです。
トルコに来て数日は夜もまだ明けきらない早朝のエザンの声で目を覚ましていましたが、今はもうエザンでは目を覚ますこともなくなりました。

シュレイマニエ・ジャーミィ
シュレイマニエ・ジャーミィ

 
さて5月1日の夕方、なんとなくテレビを見ていると、数十もあるチャンネルの中で5つも6つも同じようにジャーミィ(モスク)での礼拝の様子をえんえんと映し出していました。トルコ各地の有名なジャーミィでイマームと呼ばれるイスラムの導師が朗々とコーランを読み上げています。コーランの朗誦は、意味が分からずとも聞いているだけでも穏やかな不思議な感覚にさせてくれます。メッカのカーバ神殿をぐるぐると回る巡礼者の様子を生中継している局もありました。なんかいつものテレビの様子とは違うな…。

同居人のAliさんが帰宅して、シャワーを浴び、いつもより香水を漂わせて、これから近所のジャーミィへ行くと言います。(普段は行かないのに…)イスラム教徒(ムスリムという)はジャーミィでの礼拝前には体を清め、周囲の人への気配りや神が好まれるものという理由で香水をつけます。そんな時、テレビでは重要な祈りの場面になったのか、Aliさんは目を閉じ、両手のひらを上に向けて前に出し、一緒にお祈りを始めました。

聞くところによるとこの夜は「カンディル(灯明祭)」とよばれ、イスラム暦で年に5回ある、ムスリムにとって大変神聖な夜だそうです。「カンディル」とはキャンドルのことで、16世紀にこの神聖な夜を人々に知らせるためにジャーミィの尖塔(ミナーレまたはミナレットという)に灯りをともしたことがその由来だとか。カンディルの夜にはジャーミィで礼拝をし、親戚を訪問するのが伝統のようです。
この日は五夜のうちのRegaib Kandiliといい、預言者ムハンマドの母親が妊娠した日とされています。

カンディル シミディ
カンディル シミディ

 
ジャーミィから戻ってきたAliさんは、パンがいくつも入った箱を手にしていました。「食事済ませたばかりなのにまたよく食べるな」と思ったのですが、カンディルの夜にはカンディル シミディ(Kandil Simidi)と呼ばれる薄い塩味の小さなごまパンを食べるのもまた伝統なのでした。

聖夜のささやかなごちそう?
聖夜のささやかなごちそう?