大妻多摩中学高等学校

第194段

「国家存亡の危機」「恐慌からの脱却」

 かつて、軍部は声高に危機感を煽り、「満州は日本の生命線」と唱えて、大陸への進出を正当化した。このことに否を主張することはまるで非国民であるかのように扱われた。
 だが、少数派ではあるが、疑問を感じ批判を表明した人物もいた。そのひとりが石橋湛山である。彼は「満蒙権益放棄論」を提唱し、行き過ぎた軍部の行動を批判した。勇気ある発言である。
 「何事も多数が正しいとは限らない」という教訓が、ここにあるのではないか。目の前の危機を煽り、何事もまかり通る環境はこわい。批判することが非国民扱いにつながるならさらに恐ろしい。石橋湛山の冷静な判断を忘れずにいたい。
昨年(2013年)は湛山没後40年にあたる年だった。

井の中の高野聖