大妻多摩中学高等学校

第193段

政治学には「官僚制」という言葉がある。官僚に対するやや否定的な印象のため、良くない言葉のように感じてしまうが、そうなのだろうか。
江戸幕府は、将軍のもとに官僚化した組織が定着していたので、260年にも及ぶ「徳川の平和」を創出したといえる。「みんな」で物事を進めていくのではなく、明確な役割のもと「月番制」で責任を果たしたことが良かったのだろう。
また、「みんな」で牧歌的にやってきたヤマト政権も、組織の肥大化とともにその限界を感じ、官僚化した「律令国家」へと脱皮した。
何事も立ち上げる時は、少人数による「みんな」で進めていくのだが、「みんな」が大きくなるとそうはいかない。歴史に学ぶならば、響きの良い言葉は要注意? といったところか。
さて、実際の政治でもこのことが証明された。「みんなの党」が分裂したのだ。分裂してしまっては「みんな」ではないのでは? 今も昔も「みんな」は難しいのだろうと改めて思ってしまった。

井の中の高野聖