大妻多摩中学高等学校

【教員つれづれ草】第235段

この時期になると、高校3年生から、合格の報告や残念ながら合格できなかった報告を受ける。悲喜こもごもであるが、生徒も誠実に報告をしてくれる。
そんなとき、ある生徒が、こんなことを言って謝ってきた。
「あの時、受験でイライラしていて、先生にキツくあたってしまいました。本当にごめんなさい……」
私自身、「あの時」に対する明確な記憶はない。鈍感力が働いてしまっていたのかと振り返ったが、やはり明確には思い出せなかった。でも、生徒はずっと気になっていたのだろう。
人はその時に素直になれなくても、ずっと心に気をとめて、いつか謝ろうと思っているのだなぁと、その生徒から改めて教えてもらった。
この素直な心は、年を重ねていくとなくなってしまうのかもしれない。自分を客観視して恥ずかしく思う。
生徒から教えてもらったすがすがしい言葉を忘れずにいたい。

井の中の高野聖