お知らせ

【校長室より】世界を動かす少女たち

更新日時:2019年10月7日

【校長室より】世界を動かす少女たち

マララ、アグネス、グレタ - 世界を動かす少女たち

One child, one teacher, one book and one pen can change the world. Education is the only solution. Education first.

「一人の子ども、一人の教師、一冊の本、一本のペンが世界を変えるのです。教育こそが世界を変える鍵なのです。教育がまず大切なのです」

 

当時16歳のパキスタン人の少女マララ・ユスフザイさんは、2013年の国連総会でSDGsの採択に先だって、若者たちの代表として平和のためには教育こそが重要だと訴えました。

 

香港バプティスト大学4年生のアグネス・チョウさんは、16歳の2012年に国民教育反対運動に参加、共和主義の民主主義を批判する内容に反対し、小中学校の道徳・国民教育の新カリキュラム導入を却下させました。さらに彼女は2014年の民主化デモ「雨傘運動」で「学民の女神」と呼ばれ、現在では中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正案の撤回を求める抗議行動の先頭に立っています。

 

そして今話題になっているのは、9月23日ニューヨークで開幕した国連温暖化対策サミット(UN Climate Action Summit)で各国代表を前に地球温暖化対策を訴えたスウェーデンの高校生環境活動家の16歳のグレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さんです。

 

My message is that we’ll be watching you.

This is all wrong.  I shouldn’t be up here. I should be back in school, on the other side of the ocean.  Yet you all come to us young people for hope.  How dare you?  You have stolen my dreams, and my childhood, with your empty words.  And yet I’m one of the lucky ones.

 

People are suffering.  People are dying.  Entire ecosystems are collapsing.  We are in the beginning of a mass extinction, and all you can talk about is money, and fairytales of eternal economic growth. How dare you?

 

「私たちのメッセージは、私たち若者はあなたたち世界の首脳の方々を見ていると言うことです。

ここに私がいるのは間違っているのです。私はここに登壇するべきではありません。私は海の反対側で学校に通うべきなのです。でもあなたたちはみんな若者に希望を求めて私たちのもとに集まってきます。よくもそんなことできたものです。あなたたちはその空疎な言葉で、私の夢と私の子ども時代を奪いました。でも私はとても幸運な人の一人なのです。

 

人々は病んでいます。人々は死んでいます。すべての生態系は崩壊しつつあります。私たちは大量絶滅の始まりにいますが、あなたたちが話すことといえばお金のこと、そして永続的経済成長というおとぎ話のことばかりです。よくもそんなこと言えますね。」

 

16歳にしては幼く見えるグレタさんは時には涙を浮かべて、しかし強い口調で大人たちに話しかけました。

 

8歳の時に地球温暖化のことを知ったグレタさんは2018年8月から毎週金曜日に学校を休んでスウェーデンの国会議事堂の前で座り込みをし、一人で地球温暖化対策を訴える活動を始めました。この活動は#Fridays For Future(未来のための金曜日)と呼ばれ、SNSを通じて世界中の若者の共感を呼ぶようになります。グレタさんは同年12月にはポーランドで開かれた地球温暖化対策会議COP24に招待され、大人たちは子どもの将来を奪っているとスピーチしました。2019年にはEUヨーロッパ連合の会議でスピーチ、3月には彼女の呼びかけに賛同して世界120カ国の若者が温暖化対策を訴えるデモ行進をしました。国連の温暖化サミットに参加が決まったグレタさんは、温室効果ガスを排出する飛行機を使わず、モナコのレースチームのヨットで約2週間かかってニューヨークへの大西洋横断を果たします。サミット開催直前の9月21日には、世界150カ国400万人の若者による温暖化対策デモが行われました。ニューヨーク市の教育局は、公立学校の児童生徒100万人以上に学校を休んでデモに参加することを許可したといいます。

 

You are failing us.  But the young people are starting to understand your betrayal.  The eyes of all future generations are upon you.  And if you choose to fail us, I say; We will never forgive you.  We will not let you get away with this.  Right here, right now is where we draw the line.  The world is waking up.  And change is coming, whether you like it or not.  Thank you.

 

「あなたたちは私たちを失望させました。若者たちはあなたたちの裏切りに気づき始めています。未来の世代の目はあなたたちに向けられています。もしあなたたちが私たちを失望させるなら、私たちは絶対にあなたたちを許しません。私たちはこのことであなたたちが逃げることを許しません。たった今この場所で、私たちはあなたたちと一線を引きます。世界は目を覚ましています。あなたたちが好むと好まざるに関わらず、変化はやってきます。ありがとうございました。」

スピーチはこのように結ばれました。

 

WMO(World Meteorological Organization 世界気象機関)は9月22日、温室効果ガスの影響で世界の平均気温が2014年から2019年までの5年間で観測史上最も暑くなり、海面上昇についても著しく加速したといいます。これは二酸化炭素排出量が過去最高になったことが要因ですが、WMOによれば二酸化炭素削減の対策を強化することが喫緊の問題だということです。アントニオ・グレーテス国連事務総長は各国のリーダーに対してNDCs(それぞれの国が決定する貢献)を強化するための具体的・現実的計画をもって9月23日の温暖化対策サミットに参加するように呼びかけました。

 

JCCCA(Japan Center for Climate Change Actions 全国地球温暖化防止活動推進センター)のHPによれば、このまま地球温暖化が進むと21世紀末には地球の平均気温が最大約4.8°上昇すると予想されるということです。平均気温が上がれば南極やグリーンランドの氷河が融けて今世紀末には海面が最大82センチ上昇します。これは地球のあちこちで水没するする地域が出てくることを意味し、生態系が侵され、絶滅危惧種が絶滅に追いやられることになります。降雨パターンが大きく変化し、内陸部は乾燥し、熱帯地域では台風やハリケーンが猛威を振るい大災害の危険性が起きます。このまま温暖化が進めば、貧困や飢餓に苦しむ地域ではさらなる危険に晒されることになるでしょう。

 

How dare you? 今すぐ温室効果ガスを減らす取り組みをしないと地球は取り返しがつかなくなります。経済成長とか国家の利益とか大人たちはよくもそんな夢物語を言えますね?グレタさんの訴えに世界中の若者が立ち上がっています。