大妻多摩中学高等学校

【校長室より】平成30年度新学期が始まりました

平成30年度新学期が始まりました

みなさん、2018年度が始まりました。皆さんの進学をお喜び申し上げます。中学2年生には中学1年生という後輩ができ、高校3年生は多摩中高で過ごす最後の年になりました。それぞれの学年が気持ちを新たにして新学期を迎えましょう。

ここで改めて大妻コタカ先生のお言葉について考えてみましょう。広島世羅町にあるコタカ先生の生家の一室には「日常五心」という言葉が掲げられているということをお話ししたかと思います。

20180410校長室より_桜① 「はい」という素直な心
「すみません」という反省の心
「おかげさまで」という謙虚な心
「私がします」という奉仕の心
「ありがとうございます」という感謝の心

コタカ先生は日ごろから「礼儀にかなった言葉は、美しい容姿以上に美しい。作法の整った動作は、美しい服装以上に美しい」とおっしゃっていました。毎日の「ごきげんよう」の挨拶はもちろん、「はい」という返事を心を込めて言うことは大切です。「すみません」、「ごめんなさい」という反省の言葉も大切です。間違いを指摘されたときなど、素直に謝ることができますか?「おかげさまで」と言う言葉はみなさんはあまり言わないかもしれませんが、すべてのことが誰かのおかげで成り立っていることを忘れてはいけません。「わたしがします」という奉仕の心は自分から率先して役を引き受ける気持ちのことです。
そして「ありがとうございます」という感謝の心が大切なのはみなさんよくお分かりだと思います。

今年は大妻学院にとって記念すべき年です。学祖大妻コタカが現在の千代田区に家塾を開いてから110年が経ちました。そして1988年、学院の80周年を記念して多摩キャンパスに大妻多摩高等学校が開設されました。中学校はそれから6年後の1994年に開設されました。学院110周年、多摩高校創設30周年を記念して、今年度千代田と多摩キャンパスでは講演会やシンポジウムなどの様々な催しが行われます。その日程などは随時HPにアップされますので、皆さんも時間があったら多摩キャンパスの行事にぜひ参加してみてください。

以前放送でお話ししたように、大妻多摩中高創設30周年を記念して新しい校歌が作られることになりました。新校歌披露会は11月8日です。作詞は日本を代表する詩人の谷川俊太郎さん、そして作曲はご子息の谷川賢作さんです。

それでは、谷川さんの「ありがとう」という詩をご紹介しましょう。

空 ありがとう
今日も私の上にいてくれて
曇っていてもわかるよ
宇宙へと青くひろがっているのが

花 ありがとう
今日も咲いていてくれて
明日は散ってしまうかもしれない
でも匂いも色ももう私の一部

お母さん ありがとう
私を生んでくれて
口に出すのは照れ臭いから
一度っきりしか言わないけれど

でも誰だろう 何だろう
私に私をくれたのは?
限りない世界に向かって私はつぶやく
私 ありがとう

これは『子供たちの遺言』という詩集の中の一篇です。
空と花とお母さんにありがとうというのはよくわかりますが、最後の4行が難しい。「でも誰だろう、私に私をくれたのは? 限りない世界に向かって私はつぶやく、私 ありがとう」谷川さんはこの詩についてこのように言っています。「人間社会の時間から少しでもいいから逃げ出して、自然の時間、宇宙の時間のうちに身を置くことができれば、喜びを感じるゆとりが生まれるのではないでしょうか」「人類は群棲動物ですし、成人して自立するまで時間がかかりますから、一人では何一つできないし、誰も一人では生きていけません。自分が無数の他人に支えられて生きていると思えれば、自然に「ありがとう」という言葉が生まれてくると思います、と。言い換えれば、他人に支えられているからこそ、自分に対してもありがとうと言えるといいうのです。

わたしも皆さんに対して、新学期を迎えられたことにおめでとうと言うと同時に、みなさんが大妻多摩の生徒でいることに対して「ありがとう」と言いたいと思います。ありがとう。今年度もがんばりましょう。