大妻多摩中学高等学校

【校長室より】新入生のみなさん、大妻多摩中学校ご入学おめでとうございます

20180409校長室より① みなさん、大妻多摩中学校ご入学おめでとうございます。

保護者のみなさま、お嬢様のご入学を心からお祝い申し上げます。

今年は大妻多摩中高にとって記念すべき年です。と申しますのは、創立者大妻コタカが1908年、24歳のときに裁縫と手芸の私塾を千代田区に開いてから110年がたちました。そして創立80周年を記念して1989年に多摩キャンパスに大妻多摩高等学校が創立されてから30年という年なのです。大妻多摩中学校はそれから6年後に創立されました。

幼いころ父をなくしたコタカは母の手一つで育てられましたが、その母も彼女が14歳の時に亡くなります。コタカは「勉強を続けなさい」という母の言葉を守って首席で尋常高等小学校を卒業、17歳で母校の教員になりますが、勉強したい一心から単身上京します。広島県の生家から尾道駅までは人力車と徒歩で5,6時間、もちろん新幹線もない時代、尾道から東京までは当時もっとも早い列車でも20時間以上かかったといいます。近くの大都市といえば広島や大阪ですが、コタカは文化の中心である東京で勉強をすることを決心するのです。今から100年以上前でも人や情報が集まり、女子教育を中心に学校が集まっていたのも東京でした。インターネットもない時代にコタカは先見の明があったといえるでしょう。故郷から30時間の距離といえば、今でしたらヨーロッパでもアメリカでも世界中どこでも行くことができますね。

上京後は和洋裁の学校に通い、いくつもの資格を取得しますが、自分が身に着けた技術を他の女性たちに教えることによって、女性が社会で活躍できるよう学校を開くことを考えます。それは女性が男性と同じように学問を身に着け、さらに裁縫の技術を学べば、職業に就くこともできるし、経済的にも自立できると考えたのです。この考え方が「自立自存」という言葉に表されています。つまり自分で独立して自分の力で生きるという本来の意味以上に、コタカには生徒にその技を教えることによって生徒たちにも人格的にも社会的にも自立してもらいたいという気持ちがあったのです。

このようにコタカは100年以上前に、職業人として女性が活躍する現代のグローバル社会を体現した人物なのです。

校章

校章

さて、本日は学年のはじめですので、「大妻」という学校名と校章、校訓についてお話ししましょう。コタカが私塾を開いたのは結婚後のこと、裁縫を教えてほしいという近所のお嬢さんたちの求めに応じて、家で教えたのが始まりです。実はコタカの旧姓は「熊田」とおっしゃいます。「大妻」というのはコタカのご主人であり、校主の良馬の苗字なのです。そして「丸に糸巻き」のこの校章も大妻家の家紋なのです。丸は鏡、鑑、円満な人柄を表し、糸巻きをデザイン化したものです。さらに「恥を知れ」は大妻家の家訓であり、良馬が子供時代にいたずらをするたびにお母様から言われていた言葉だということです。偶然とはいえ、鏡と糸巻きという女性の日常生活に密着した校章は、女子教育にふさわしい校章といえます。海の向こうのアメリカでも、19世紀半ば、女性がグループで行うパッチワークキルトから女性参政権運動やフェミニズム運動が起きました。日本でも女性の仕事である手芸と裁縫が女子教育の基礎となって創立された学校はいくつもあり、こうしてコタカは校長として女子教育の発展に尽くし、良馬は学校運営面でコタカを支えました。

さて今、大妻多摩中高は大妻コタカの建学の精神と人間教育を基礎に、難関大学合格を目指す進学校としてさらなる進化をします。本校では2020年度から行われる新大学入試をめざし、文科省の新学習指導要領に基づいて様々な学びを充実させるとともに、AIが人間にとって代わられる、予測できないグローバル社会で活躍できるよう様々なプログラムを充実・発展させます。本校では基礎的な知識を定着させることに加え、思考力・判断力・表現力を磨き、主体的に学習に取り組む姿勢を育てます。大妻多摩では個人個人の生徒のみなさんの成長に合わせたきめ細かい指導に努めてまいりますが、みなさんは自分で問題発見をし、その問題をクラスメイトと協力して解決する、そういう力が求められます。授業でも先生のおっしゃることをうのみにしたり、指示を待つのではなく、積極的に授業に参加して自分の意見を述べることが大切になってきます。先生と生徒、生徒同士の活発なコミュニケーションが学校を作り上げていきます。

中学生になると電車通学が始まり、小学生の時とは異なった環境で勉強をすることになりますが、中学一年でまずしなくてはならないことは学校と家庭での学習習慣をつけることです。毎日決まった時間予習復習を欠かさず、机の前に座ることを習慣としてください。重いバッグをもっての通学は最初は疲れるかもしれませんが、楽しい行事もたくさん控えています。先生方も上級生もみなさんが楽しい学校生活を送れるよう応援していますのでみなさん早く学校に慣れていただきたいと思います。

これでご入学のお祝いのあいさつとさせていただきます。