大妻多摩中学高等学校

【校長室より】新図書館棟「アカデメイア棟」完成に寄せて ~~ 大妻多摩中学高等学校の今とこれから ~~

                     2015(平成27)年9月吉日

保護者のみなさま

新図書館棟「アカデメイア棟」完成に寄せて
         ―― 大妻多摩中学高等学校の今とこれから

(アカデメイア棟[新図書館棟]のパノラマ写真は こちらから ご覧になれます)

校長 谷林眞理子

大妻多摩中学高等学校の新しいシンボル的施設「アカデメイア棟」が完成し、いよいよ2学期から利用できるようになりました。一階には電子黒板を備えた教室、二階には5万冊の蔵書を備えた図書室、そして三階には200席の学習ブースのある自習室があります。
「アカデメイア棟」は生徒から募集したいくつかの呼称のなかから選ばれたものです。そもそも「アカデメイア」とは、古代ギリシャ、アテナイの地域の名前であり、遊歩道にはオリーブやスズカケなどの樹木が繁り、神殿のほかにギュムナシオン(公共体育場)があったといいます。ギュムナシオンでは肉体を鍛えるだけでなく、哲学や文学、芸術などの討論や問答なども行われ、図書館も併設されていたということです。紀元前387年にプラトンがここに学校を創設したため、「アカデメイア」は「プラトンの学園」の意味を持つようになりました。「アカデメイア」はプラトンの死後も弟子たちによって引き継がれ,約900年にわたって学問研究機関であり続けました。
大妻多摩中高の図書館棟に「アカデメイア棟」という名称が付けられたことは、学問だけでなくスポーツや文化活動にも力を入れている本校にとって、きわめて重要な意味のあることです。この呼称は図書館棟だけをさすのではなく、学び舎としての中高棟、広大な芝生のグラウンド、欅並木の学園通りすべてを含んだ大妻多摩中高全体を表すといってもよいでしょう。

大妻多摩中学高等学校の新しいシンボル的施設「アカデメイア棟」が完成し、いよいよ2学期から利用できるようになりました。一階には電子黒板を備えた教室、二階には5万冊の蔵書を備えた図書室、そして三階には200席の学習ブースのある自習室があります。

アカデメイア棟の完成を迎えて、大妻多摩中学高等学校は新しい時代に入ります。校訓「恥を知れ」を基礎に、百年以上の歴史と伝統ある大妻学院の建学の精神を継承し、創立以来28年間受け継がれてきた学力の養成と人間教育をさらに推進することに変わりはありません。しかし社会の変化に応じて、また教育目標をさらに高く掲げて、大妻多摩中学高等学校は日々進歩しなくてはなりません。保護者のみなさまには「平成27年度大妻多摩中学高等学校、学校運営計画」をお届けいたします。この「学校運営計画」には校務のほかに中学高校の6年間にわたる学年と教科別の達成目標と活動計画が記されておりますのでご覧いただければ幸いです。この「学校運営計画」は毎年更新しますが、来年度からはHP上でご覧いただけます。

大妻学院は創立者大妻コタカ先生が裁縫と手芸の私塾を開いたことからスタートしています。今から100年以上前の明治41年のことでしたが、コタカ先生は裁縫という技術を学ぶことによって女性が自活、自立できる道を切り拓かれました。このように先生は女性が技術や学問を身につければ、将来、家庭だけでなく社会でも人の役に立つ人間になれると考えられたのです。先生は生徒たちにはあいさつ、礼儀作法などの日常生活の基本を身につけることはもちろん、社会に出ても周囲の人に心配りができ、目標をしっかり持ち、自分の意見をはっきり言える女性になってほしいと願われました。ここに大妻学院の建学の精神の基礎があります。
緑の自然に囲まれた大妻多摩中学高等学校は、12歳から18歳という多感な時期を過ごすのに最適な環境にあり、生徒たちは四季の移り変わりを肌で感じることによって豊かな感性を磨くことが出来るでしょう。生徒たちには在学中は勉強だけでなく、体力・知力を駆使してのびのびと体育祭や文化祭などを運営し、部活にも積極的に取り組み、柔軟な思考力と判断力を養ってほしいと思います。

さて、皆さまもご存じとは思いますが、2014年の中央教育審議会答申を受けて2015年1月には「高大接続改革」が策定されました。これは高等学校教育改革、大学教育改革、そして大学入学者選抜改革(大学入試改革)を一体的に行う改革です。大学入試改革では、2021年度大学入学者(2015年度中学1年生)から現行のセンター試験が廃止され、「高等学校基礎学力テスト」(仮称)と「大学入学希望者学力評価テスト」(仮称)が行われるということです。「高等学校基礎学力テスト」では高校において基礎学力(知識・技能)が身に付いているかが評価されます。一方、「大学入学希望者学力評価テスト」では、その知識・技能を活用して自ら課題を発見し、小論文、プレゼンテーション、グループディスカッション、面接などを用いて、主体的な学習態度(主体性・多様性・協働性)が試されます。「大学入学希望者学力評価テスト」では知識や技能の活用力が問われるだけでなく、問題発見解決力や情報活用力など教科を横断した合教科型や総合型の出題もあり、マークシートではなく記述式・論述式が導入される予定です。さらに英語については「読むこと」「書くこと」のほかに「聞くこと」「話すこと」という4技能が総合的に評価され、実力英語検定技能試験(英検)やGTEC、TEAPなど日本で開発された資格・検定試験のほかに、IELTS、TOEFL、TOEICなどの国際的なテストの活用も検討されており、すでに各種検定試験結果を導入している大学もあります。
現段階では文科省から具体的なテスト形式はまだ示されていませんが、論文、プレゼンテーション、ディスカッションなどの主体的な学習に対する対策、英語資格・検定試験対策が必要となってきます。このような入試改革にあわせて、現在大妻多摩中学高等学校でもいくつかの取り組みを継続的に進めていきます。

 

エントランス 大妻学院コーナー ミニコタカちゃんのくつ
エントランス 大妻学院コーナー ミニコタカちゃんのくつ

 

 

<大妻多摩中学高等学校の今とこれからの取り組み>

大妻多摩中学高等学校では以下のように教育改革を行う予定です。

1 教育のICT化(情報通信技術による高度情報化)

アカデメイア棟の完成に伴い、図書やコンピュータを活用することにより、情報収集、論文作成などをさらに有効に行うことができるようになります。1階には電子黒板を備えた教室が完備し、ICT(情報通信技術)を活用しながらアクティブ・ラーニング(能動的学修)がよりスムーズに行われるようになります。(アクティブ・ラーニングとは体験学習、問題解決学習、調査学習、ディスカッションやグループワークを通して、「生徒が主体性をもって多様な人々と協力しながら問題解決をすること」を指す。中教審答申2014)。

 

2 教育のグローバル化

これからの生徒たちにとっての活躍の場は世界に広がり、国境の垣根はなくなってきます。
大妻多摩では語学研修としての英国セミナー、異文化体験としてのトルコセミナーのほか、英米豪の4中高へのターム(学期)留学、さらに帰国生、国際生入試により、多様な文化・言語の背景をもった生徒たちが同じ教室で勉強する機会が増え、国際的に通用する語学力の習得並びに、国際社会に対する環境が整備されます。このようなグローバルな体験を通じて外国の文化や習慣を理解する中で、日本の文化や歴史を相対的に理解していく機会も増やしていきたいと思います。さらに生徒たちには、グローバル社会の中で異文化への理解と日本文化を伝えていくことの重要性も共有してほしいと思っています。

 

3 大学入試改革に対する対策

新テスト実施に向けて、大妻多摩中学高等学校でも「合教科・科目型」および「総合型」問題に対しての対策が急がれます。現在、中学1年生から卒業研究製作のために教科を超えて全教員が指導に当たっています。この取り組みではテーマを決めて自分の考えを述べ、その論拠を順を追って説明しなくてならないため、問題提起から情報収集、結論に至るまで、思考力・判断力・表現力が養われます。これらの学力は、従来の知識・技能の習得を活用して、自ら課題を発見し、その解決に向けて探究し、その成果を表現するために必要な能力であり、文科省が新大学入試制度に向けて育てていきたいとしている新しい学力です。
このほか、全教員が生徒の思考力・判断力・表現力を伸ばすための取り組みを教科教育や総合的な学習を通して、日々実践して参ります。英語資格・検定試験対策については、現行の英語授業でも4技能を総合的に学んでいますが、英語によるコミュニケーション能力をさらに強化し、4技能のバランスよい習得が評価できるよう具体的な検定試験対策を実施する予定です。

 

3階自習室の赤のタペストリー センターのグリーン 吹き抜けから階下を見渡す
3階自習室の
赤のタペストリー
センターのグリーン 吹き抜けから
見渡す階下
ライティング ブラウジングコーナー1 ブラウジングコーナー2
円形広場 ランプ付き大型閲覧テーブル 円形広場2