大妻多摩中学高等学校

アセアンセンターでの高3選択O.C.フィールドワーク報告

芝にあるアセンセンターで記念撮影

芝にあるアセンセンターで記念撮影

去る6月14日(木)の午後、高校3年生の選択オーラルコミュニケーション(以下、選択O.C.)の授業で、東京タワーの近くにある「アセアンセンター(正式名称は『東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センター』)」に選択受講の高3生12名を引率して、フィールドワークとして訪問しました。2016年に同じく選択O.C.の生徒を連れて行ったのが最初でしたので、今回で2度目の訪問でした。

4月からの選択O.C.の授業では、「女性の社会進出とそれに伴う諸問題」をテーマに、いくつかの英語のマテリアルや実際にリサーチすることを通して、「情報を得ること」、「その情報を使って、テーマに関して英語のプレゼンテーション行うこと」に取り組んできました。今回の訪問では、次の3つを目的にしました。

(1)このテーマについて、アセアン諸国の「女性の社会進出」事情について質問し、その回答をまとめて、1学期最後に行う英語のプレゼンテーションに活用する。

(2)学校外の英語を使う本物の環境で、実践的に英語を使用する。

(3)アセアン諸国の情報を得ることで見識を広める。

 

英語でご講演してくださったニック氏(ラオス政府から出向中の、観光交流部長)

英語でご講演してくださったニック氏(ラオス政府から出向中の、観光交流部長)

生徒たちはこの授業を高校2年生の時から選択し、何度も英語のプレゼンテーションをしてきており、人前で英語を話すことには慣れている方ですが、校外で、しかもアジア出身の初対面の方にインタビューをするような機会は、もちろん初めてでした。当日はラオス政府から出向中の、観光交流部長ワットゥニヨム・ドゥアンマラー(通称ニック)氏が、まずお話をしてくださいました。ニックさんは生徒たちの反応を見ながらゆっくりと、ASEAN機構、ASEAN加盟国、日本とASEAN諸国との関係についてお話しされました。生徒たちも言われていることをほぼ理解していたと思います。皆、途中で笑ったりうなずいていました。お話の後、質問の時間がありましたが、最初はやはり生徒たちも勇気を持てずにいましたので、私から英語で質問をしました。でもその後すぐに、日ごろの授業の成果が出ました。私の後に、手を上げて英語で質問をする生徒も出ました。貿易の話もあり、生徒たちには少し難しいところもあったかもしれませんが、「英語の講演を聞いて、英語で質問をして英語の回答を聞く」という、留学すれば当たり前の経験を高校3年生で学校の外で体験できたことは、彼女たちの将来、きっと役に立つ時が来ると思います。

「日ASEAN女性起業家リンケージプログラム(AJWELP)」を担当されている藤川氏

「日ASEAN女性起業家リンケージプログラム(AJWELP)」を担当されている藤川氏

ニック氏に続いて、観光交流部プロジェクトマネージャーの藤川尚子氏に、アセアン諸国における女性と女性の社会進出について、豊富な海外見分とお仕事での話を基に、ご自分の学生時代や子育ての時期の体験談も交えて日本語でお話をしていただきました。藤川さんは、今回のフィールドワークのテーマにぴったりの方で、現在「日ASEAN女性起業家リンケージプログラム(AJWELP)」を担当されています。日本に比べるとまだまだ恵まれない環境の中で、創意工夫と人脈を活用して起業したアセアンの若い女性数名のお話は、どれも本当の話であるがゆえに強い印象を与えました。生徒たちは、今回のプレゼンテーションに生かそうと皆真剣にメモを取っていましたし、日本語ということもあり、多くの生徒たちが質問をしました。前回もそうでしたが、彼女たちは聞きたい事をしっかりと準備してきていました。何よりも、一人の女性として自分の人生、将来につながるところもあったので、生徒たちは自分の問題として捉え興味を持てたようでした。

藤川さんの右にいらっしゃるのが、コーディネイトをしてくださった石毛さんです

藤川さんの右にいらっしゃるのが、コーディネイトをしてくださった石毛さんです

生徒からの質問に対する藤川氏の回答の中で、私の印象に深く残っているものがあります。「女性の社会貢献とは、社会に出て起業したり華々しい成功を収めることだけではありません。介護が必要となった家族のために働くこと、子供を育てることも、女性としての立派な社会貢献だと思います。アジアの女性たちは、日本人が考える社会貢献とは異なる見方を持っています。」国際的な舞台で働いておられる藤川さんであるからこそ、考えさせられる言葉でした。最後になりましたが、前回に引き続き今回も私たちの訪問を快く引き受け、リクエストに色々と応えてくださった広報担当官石毛宏子様のこともご報告し、謝辞を述べたいと思います。ありがとうございました。そして、参加した12名の高3生たちは、インタビューの準備をしっかりとし挙手をして積極的に質問をしていましたし、挨拶もきちんとしていました。最後の記念撮影でも、自然に私を真ん中にしてさっと並んだ生徒たちの優しさと素晴らしさに、誇りを感じたことも報告させていただきたいです。

教育は教室の中だけで行われるものでも、インターネットを通して行われるものだけではありません。特に言葉の教育では、実際に人を前にしたコミュニケーションが何よりも大切であることは言うまでもありません。昨年は「英語・国際教育プロジェクト」の一つとして、秋に東京工業大学の原先生の研究室を生徒とともに訪問してお話をうかがいました。間もなく7月22日からは、中学2、3年生101名とともに、いよいよオーストラリアへフィールドワークに出かけます。グローバルな時代であるからこそ、教育も変わっていくべきところにあると思います。一人でも多くの大妻多摩生に、このような機会に触れてほしいと思います。自分の将来のために。

英語科 伊藤正彦