大妻多摩中学高等学校

【留学便り】ドイツ便り<10月>

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ドイツ便り 10

 

こんにちは。着々と冬に向かっているドイツからのレポートもいよいよ10月版です。遅くなりましてすみません。10月は初めの2週間が秋休みでした。この2週間でいろいろ面白いことがありました。

最初の5日間はバイエルンの方に旅行に行きました。去年ロータリーで東京に来ていた友達がミュンヘンの近くに住んでいて泊めてくれました。電車で5時間半かけて行った土地だけあって、同じ国でも今住んでいるゴスラーとは所々異なる点を発見しました。例えば方言があります。標準ドイツ語(ゴスラーも含め、ハノーファー周辺は一番訛りが無くいわゆる標準ドイツ語だそうです)を話す人向けのバイエルン方言の本があるくらい、この方言は個性が強いです。東京で育った私から見た東北の方言みたいなものでしょうか。印象に残っているのはOana is koana(意味は、「一杯飲んだだけじゃ飲んだことにならない」)です。標準ドイツ語だとEiner ist keinerとなりますが、オクトーバーフェストを始めビールをたくさん飲むドイツ人と、ドイツ語の地域差をいっぺんに表していて私のお気に入りのフレーズです。

(左、お祭りモードのミュンヘン中央駅)

(右、オクトーバーフェストのレープクーヘン)

さてそのオクトーバーフェストですけど、私も行きました。長く続く歴史のあるお祭りですが、大規模な縁日のようでした。飲食をするテントはもちろん最寄り駅から会場までの道も人でいっぱいでした。オクトーバーフェストというとドイツ観光の目玉かもしれませんが地元の人があまりいい顔をしない時がある理由がなんとなく分かりました。あとここでの人々の気分の高揚の具合と物価は東京ディズニーランドを想像してみると分かりやすいかと思います。レープクーヘンという可愛らしいクッキーのようなお菓子が売っていて、それを買って首に下げるのが一つの定番なのですが、別の時期に別の場所でやったらおそらく少し恥ずかしいはずです。その点ではミッキーマウスのカチューシャに似てるんじゃないかと思いました。それと水やジュースがやたら高くスーパーの4倍くらいはします。でも喉の渇きはどうしようもないから買うしかありません。

(左、小高い山に建つブルクハウゼン城から見下ろしたザルツァハ川。向こう側はオーストリア)

(右、この橋の真ん中に書かれた短い線が正確な国境)

バイエルンでの5日間で私の期待を大幅に超えて興味深かったのは、前述した友達のお母さんがブルクハウゼンという町に連れて行ってくれたことです。ここに世界で一番長いお城、ブルクハウゼン城があります。今まで私は歴史よりも現在進行形で起こっている問題の方に断然興味があったのですがここを訪れてから、やっぱり歴史は知らなきゃ損する、もう一回ちゃんと勉強しようと決めました。このお城の構造や付属の博物館に展示されている絵画の背景を教えてらいながら回ったのですが、そういった知識があるとより深く面白いものに見えてきます。どれもキリスト教やバイエルンの戦いが背景にあります。目の前にあるものがただの景色や古い建物でなく、昔の人が歴史を刻んできた中から生まれたものだという実感が湧いてきました。またこの町はザルツァハ川を挟んでオーストリアに面しています。橋を歩いて渡って、ドイツで買ったアイスを食べきらないうちに気付いたらオーストリアにいました。パスポートなしで国境を渡れる上に公用語も変わらないとなると、日本とヨーロッパでは「外国」の定義も感覚も全然違います。だとすれば、日本は今「国際的な○○」「グローバル化」という概念に随分悩まされていますけど、ヨーロッパのもつそれと日本にできるそれは名称こそ同じであれ中身は微妙に異なるんじゃないかと思います。橋を渡っただけで大げさに考えすぎですけど、日本は日本で欧州から学んで参考にしても単なるまねっこ以外の事を模索すべきだし、私もそれに協力できる人になりたいです。

このほかにも秋休みは、夢に見ていたドイツの馬術大会に出場したり、学校のドイツ語クラスで仲良くなった友達にアフガニスタン料理を作ってごちそうしてもらったり、アルゼンチンからの留学生の誕生日パーティーで気の合う友達ができたりと充実した日々でした。これらについても書きたかったですがもうすでに長くなったので今回はこの辺にします。ドイツ便りというよりは私の意見箱みたいになってしまいすみません。お付き合いいただきありがとうございます。ではバイエルンの方言で締めくくります、Servus!