大妻多摩中学高等学校

学校朝礼(中学)にて

「グローバル化のコツ」

おはようございます。新しい年度がスタートしておよそ1ヶ月が経ちました。皆さん、いいスタートを切ることができましたか?。

皆さんは入学式や始業式で、校長先生から「グローバル化」についてのお話しを伺いましたね。皆さんが活躍する世の中は、「地球規模」の社会であり、その中で「何かのため、誰かのため」に役に立つ一人ひとりになるよう、しっかり学びましょうというお話しでした。

グローバル社会で活躍できる「国際人」になるためには、2つの能力を身につける必要があります。
1つは、相手をよく知り「相手の立場に立って物事を考える」能力。もう1つは「自分の意見や考えをしっかりと表現できる」能力です。

相手の立場に立って物事を考えるならば、自分の意見や考えはぐっとガマンすべきじゃないの??と思う人もいるでしょう。でも、真の国際人は、相手の立場を理解し、相手を思いやる視点を持って自分の考えをまとめ、自分の意見を表現できる人なのです。

トプカプ宮殿よりボスポラス海峡を望む

こんなお話しがあります。
豪華客船が旅の途中で座礁し、船体に大きな穴が開いてしまいました。船は傾き、ゆっくりと沈んでいきます。このままでは沈没は確実です。もちろん、救助の要請はしてありますが、救助隊の到着と船の沈没はどちらが早いかわからない状況です。船長は、船を少しでも軽くして沈没までの時間を稼ぎたいと考えました。そこで、船内にこんな放送をかけました。「男性のお客様にお願いがあります。船を少しでも軽くするために、ライフジャケットを着て海に飛び込み、海の上で救助を待ってくださいませんか?」。ところが、この放送に応えて海に飛び込むお客は一人もいません。5階建てのビルに匹敵するような大きな船から真っ暗な海に飛び込むにはかなりの勇気が必要なのです。そこで船長は、こんな作戦を考えました。「アメリカ人のお客様に申しあげます。今ここで飛び込んだら、あなたはヒーローになれますよ。」すると、アメリカ人の男性客が一斉にドボーンと飛び込みました。次に、「イギリス人のお客様に申しあげます。あなたが真のジェントルマンであり、真のナイトならば、女性や子どもを守るために飛び込みますよね!!。」すると、イギリス人たちがドボーン。今度は「ドイツ人のお客様、よく聞いてください。規則ですから飛び込みましょう。」するとドイツ人がドボーン。「最後に日本人のお客様へ申しあげます。みんな飛び込んでますよ。」
これは笑い話ですが、この船長は、それぞれの国の特徴をよく理解し、上手に表現していますよね。

相手の立場を思いやりながら、自分の意見を表現することは簡単なことではありませんが、それが上手にできるようになるにはコツがあります。

まず、「相手の立場に立って物事を考える能力」について。
先日、熊本で大きな地震がありました。被災して困っている人々へ援助の手を差し伸べるときにも、「相手の立場に立って、相手のために」という考えがすごく大事になります。この能力を身につけるコツは、相手の反応に対して腹を立てない自分になることです。こちらが求めるような反応を相手が返してくれないとき、「折角やってあげたのに」と腹を立てるのは、その行為が相手のためではなく自分の満足のためにやっているに過ぎないことの証拠です。
私は、校長先生や主幹の熊谷先生と交代で、B1の玄関に立って皆さんと朝の挨拶をします。必ずしも機嫌や具合がいい日ばかりではありませんが、ニッコリ笑って「おはよう。」と挨拶をするよう心がけています。それに対して笑顔で「おはようございます。」と応えてくれる人もいますが、そうではない人もいます。そんなときには、「こっちが挨拶してるのに、なんてヤツだ!!」と腹を立てるのではなく、「体調がよくないのかな?」とか、「出がけにお母さんとケンカしたのかな?」などと思うことが大切です。クラスで行事に参加するときにも、クラブ活動でも、相手の反応に腹を立てない自分になることを心がけていけば、皆さんのこころの中には「相手のために」という思いがしっかりと根付き、相手の立場に立って相手のためになる行動をすることができるようになります。これが1つめのコツです。

「自分の意見や考えを表現する」能力を身につけるコツは、毎日の授業の中にあります。今年、先生がたは、授業の中で、黙って話しを聞き、黒板に書かれたものをノートに写すだけではなく、皆さんに意見や発言を求める機会をたくさん増やします。そんなとき、尻込みしたり「わかりません」と逃げたりしないで、積極的に発言をしてください。間違えたっていいのです。日本人なのだから、「みんな発言していますよ。」という状態になればドボンドボンと同じですよね。

結局、毎日の学校生活に積極的に取り組むことがグローバル化に対応するためのコツといえますね。特別なことではありません。みんなできます。がんばりましょう。ごきげんよう。

教頭:辻豊仁